【コラム】木工修行、三者三様。

この2月、ちょうど同じ時期に三者三様のドラマがあった。

いつもだったら、こんな話を表沙汰になどしないものだが、

大切なことなのでお話しようと思う。

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1人目は、

  1年4ヶ月で退塾し、早々と木工房への就職先を決めて行ったWくん。

2人目は、

  同じく1年4ヶ月でスタッフから退塾の引導を渡されるも、

  2週間の期間を経て改めて復帰したTくん。

3人目は、

  11ヶ月で木工修行に行き詰まり、退塾したYくん。

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Wくんは20代後半。家電量販店の営業職から木工への転職組だ。

昨年10月に中級になり、年末に木工房へ面接に行くことになった。

そこで、面接に望む姿勢として

  自分にとってのメリットではなく

  相手にとってのメリット

を話すことをアドバイスした。

 

よくあるのが、

  「御社の理念に共感します

  「無垢の家具が作りたいです

のパターン。それは自分にとってのメリットでしかない。

 

たくみ塾生であれば、

  「自分がどれだけ売上に貢献できる腕を持っているか

をPRできるのだ。

 

そのためにも、

たくみ塾がどういう教育を行っているのかも説明するようアドバイスをした。

 

案の定、

木工を学んでいる身ですと自己紹介した時点では、

社長さんもそれほど関心を示さなかったそうだが、

たくみ塾での木工修行を説明することで、即採用が決まったそうだ。

 

そして、

今すぐにでも来てくれとの要請を受け、

卒塾まで待つことなく、泣く泣く送り出すこととなった。

 

たくみ塾での、わずか1年4ヶ月の木工経験ながら、

木工経験者」「現場での即戦力」としての

実力を買ってもらえたということだ。

 

この大雪の中の引っ越しで大変だろうが、

たくみ塾OBの名に恥じない活躍ぶりを期待している。

 

 


Tくんは、Wくんと同期生。

高校を卒塾後、たくみ塾へ入塾してきた。

 

さすが10代だけあって、

スタッフの指示通りに動けるし、

素直で飲み込みの早いところは買っていた。

 

しかしながら、

いつまで経っても高校生気分が抜けない。

ダラダラしているし、行動も雑だ。

スタッフから常に注意されていたが、

本人は一向に改める気も見せない。

 

ある朝、

寝坊したのをきっかけに、スタッフから「辞めろ!」と

とうとう引導を渡されてしまった

 

スタッフの判断は尊重したいものだが、

さてどうしよう?

翌週、

頭を丸めてきたTくんと、話し合いの場を持った。

 

Tくんとしては、辞めずに続けたいとのこと。

「ではどうしよう?」と、

彼から引き出した答として、

工房中の掃除を2週間続けた後、

スタッフと話し合いの場を持つことにした。

彼に、再チャレンジする機会を与えたということだ。

 

理事長のもとで2週間預かることとなり、

掃除の仕方だけでなく、あいさつ姿勢まで

の指導を受けることになる。

 

毎日、黙々と窓ガラスを拭き、黙々と片付けをし、

2週間、腐ることなく作業を終えた。

 

2週間後、スタッフと話し合いの場を持ち、

晴れて工房に復帰することになった。


20代後半のYくんはすでに11ヶ月になるのに、

なかなか伸びてこない塾生だった。

 

ある日、

スタッフに怒られたのがきっかけで、

塾にも出てこなくなってしまった。

 

彼と話をしてわかったのは、

そもそも木工修行なんかするつもりはなく、

木工技術だけを身につけようとしていたということだ。

 

 

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木工修行でのまなび方を身につけるために最低限必要なこととして、

新入生のガイダンスでは、こんなことを話している。

  朝早く出てくること

  スタッフにあいさつをすること

  毎日刃物を研ぐこと

  実習の記録を取ること

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では、

それぞれのことをやってきたのか?と聞くと、

殆ど何もやってきていなかった。

 

つまりは、

学び方もわからないままに11ヶ月も頑張ってきて、

何も身についてこなかったという結果。

 

残念ながら

Yくんには、Tくんの時のように

再チャレンジの機会を与える気にはなれなかった。

 

 


たくみ塾のキモでもある木工修行

 

それは、

学校でのまなび方とは大きく一線を画する。

 

だから、

ほとんどの塾生がその学び方に戸惑う。

まなび方を身につけるのにも1~3ヶ月はかかるだろう。

 

ポイントは3つ。

  続ける習慣を身につけること

  スタッフとの信頼関係を築くこと

  感じること

だ。

 

それによって学びのスピードは倍加する。