ブータン・プロジェクト~何をつくろう?

塾長 佃正壽


ブータン側の受け皿は現地のNGOであるCPA(=Chithuen Phendhey Association)です。その意味は「皆で心を合わせて助け合う」。アルコールや薬物の依存症者に社会復帰のためのカウンセリングをおこなう彼らにふさわしい名称ですね。その活動ぶりには国王の信任もあつく、運営費には国王からの支援もあるそうです。

 

そんな彼らは、この木工支援プロジェクトを「KIBOU(希望)プロジェクト」と名づけ、「北欧モダンの洒落た家具をつくれるようにしてほしい」と言っていたのです。

 

いやハードルが高い!

 

だからといって、もちろんそれを無視するわけではありませんが、いずれそこに辿り着くにしても、まずは段階を追って一歩ずつ、です。
なにせ、木工に関しては全くの素人集団である上に、文化も言語も生活習慣も、なにもかも違う人達と向き合うプロジェクトなのですから、課題が多くあって当たり前ですね。

 

そこで、「何をつくろう?」ということになり、斎藤くんは「フレーム・スツール」なるものを考えだしたのです。その経緯はブログの「ブータン・プロジェクト~フレームスツールの制作」をご覧ください。

 

私は、「自分たちが作ったものが、他人に買ってもらえた」という状況を、早くに実現することが重要だと思っていました。訓練の達成感ということですね。そこで、土産物のようなあまり大きくないものからとりかかるのはどうかと斎藤くんと話をしていました。そういうものなら、価格もそう高くならず、将来的に観光客への需要も見込めるのではないかと考えたからです。

そんなわけで、斎藤くんからのレポートで「スーベニヤ・グループでいろいろ作り始めた」という知らせが来た時は、「おお、いよいよ始まったな」という感じでした。

 

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■■お土産物■■ 斎藤稜

 

木工のクラスには現在24名の方が参加しています。過度にアルコールを摂取した後遺症で手が震えてしまう方などもおり、全体を二つのグループに分けました。

 

カーペンターグループは機械なども使いながら、家具や大きなものを作っていきます。スーベニヤーグループは、手作業で彫り物をしたり、ペイントをしたりしてもらっています。


スーベニヤーグループはソープケース、キーハンガーなどを作りましたが、現在はブータンの伝統的な靴をモチーフにしたペン立てを作っています。パロでお土産物店を経営している人からこれがいいのではないかと提案があったからです。

 

ブータンの人は派手なもの好きです。塗料はブータンの建築の装飾などにも使われているものです。粉末状の顔料で、水で薄めた木工用接着剤に溶かして使います。